自筆証書遺言
自筆証書遺言とは、遺言者が紙に遺言内容を書いた上で日付及び氏名を記載し、自己の印鑑を押印することにより作成する遺言です。
自筆証書遺言のメリットとしては、誰にも知られずにいつでも自由に作成・修正が出来る点が挙げられます。思い立ったときに気軽に書け、あるいは気が変わったときに気軽に書き直せるのは、大きな長所です。
反対に自筆証書遺言のデメリットとしては、下記の事例のような形式不備によりその有効性が争いになったり、本人の筆跡であるかどうか筆跡鑑定までして争われたり、内容が不明確なためその解釈で争いがおきたりといった相続人間でトラブルがおきやすいということがあります。また、保管場所の問題があり、せっかく書いたのに発見されなかったり、悪意を持った相続人に偽造・隠匿・破棄されやすいという不安もあります。さらに、遺言書が見つかっても、すぐにそれを使って遺言の内容を実現することはできず、家庭裁判所に「検認」という手続をしなければならないという煩わしさもあります。
遺言書が無効となってしまう事例
① パソコンやワープロでの遺言書 →→自筆でなければ無効!(※)
② 本人が口述したものを他人が代筆した遺言書 →→自筆でなければ無効!(※)
③ 作成年月日の記載のない遺言書 →→作成年月日が正確に特定されなければならない。したがって、「平成○年○月吉日」では特定できず無効!
④ 夫婦など二人以上の者が連名や共同で作成した遺言書 →→遺言は、各自が単独で作成しなければ無効!
⑤ 小学生が書いた遺言書 →→満15歳以上でなければ遺言する能力が認められず無効!
※方式緩和改正の反映
財産目録についてはパソコンやワープロで作成することもできます。
その場合、その財産目録に署名押印が必要です。
財産目録は、預貯金について通帳の写しを添付する事や、
不動産について登記簿謄本を添付する事もできます。
有効な遺言書
① カーボン紙を用いての複写で作成した遺言
② 実名でなくても、芸名や通称名で遺言者が特定できる遺言