御布施について
葬儀にて、僧侶は通夜、葬儀・告別式などを執り行うことによって、正しい仏法の教えを説いて、精神的な施し(法施)を遺族へ与えます。これに対して遺族は、感謝し財物、衣食などの物品で応える(財施)という関係にあります。僧侶が通夜、葬儀・告別式などを執り行うのは商売ではなく、あくまでも法施としてなのです。遺族も葬儀での御布施は、その対価として支払うのではなく、あくまで財施として行うのが本来の考え方です。近年では、読経料、戒名料などという表現がされますが、これでは対価としての料金という考えによるものなので相応しくないとされています。確かに遺族にはお礼という気持ちがあると思われますが、それ以上に本来の意味があることを理解する必要があります。従って上書きは御布施とするのが正しいとされています。御布施は遺族の「志」によるものですが、寺院を維持する経費などもありますので、それらを考慮する必要もあります。ですから遺族は、自らの経済的事情を考慮しつつ、相応の金額を包むことは必要になります。金額が分からない場合には寺院に率直にうかがったり、経済的な事情がある場合には寺院と相談をされると良いでしょう。