厚生年金

相続後の諸手続

厚生年金の被保険者または被保険者であった者が死亡したとき、一定の遺族に「遺族厚生年金」が支給されます。遺族が子を持つ妻、または子の場合は、国民年金の遺族基礎年金が合わせて給付されす。

支給要件

①被保険者が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、死亡日の前日において保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)
※ただし令和8年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

②老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。

③1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。

※厚生年金は給料から天引きされますが、退職後に国民年金の保険料を納めていなかったため、保険料納付要件を満たさず、遺族厚生年金が受け取れないこともありますので、ご注意ください。

遺族要件

死亡した者によって生計を維持されていた、

  • 子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
  • 55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる。)

※子のない30歳未満の妻は、5年間の有期給付となります。

※子のある配偶者、子(子とは18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者に限る)は、遺族基礎年金も併せて受けられます。

提出先

遺族厚生年金は、「国民年金・厚生年金保険・船員保険遺族給付裁定請求書」を次の区分に応じて、年金事務所に提出します。死亡日の翌日から5年以内に提出しないと時効により消滅してしまいます。
① 最後に加入していた制度が国民年金のとき、または老齢年金障害年金を受けていたとき
→住所地管轄の年金事務所
② 最後に加入していた制度が厚生年金(または厚生年金加入中の死亡)のとき
→最後に勤務した事業所管轄の年金事務所

必要書類

年金請求書

必ず必要な書類

年金手帳 提出できないときは、その理由書が必要
戸籍謄本(記載事項証明書)
または法定相続情報一覧図の写し
死亡者との続柄および請求者の氏名・生年月日の確認
戸籍謄本は受給権発生日以降で提出日から6ヶ月以内に交付されたもの
世帯全員の住民票の写し
(マイナンバーをご記入いただくことで、添付を省略できます。)
死亡者との生計維持関係確認のため
死亡者の住民票の除票
(マイナンバーをご記入いただくことで、添付を省略できます。)
世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要
請求者の収入が確認できる書類
(マイナンバーをご記入いただくことで、添付を省略できます。)
生計維持認定のため
所得証明書、課税(非課税)証明書、源泉徴収票 等
子の収入が確認できる書類
(マイナンバーをご記入いただくことで、添付を省略できます。)
義務教育終了前は不要
高等学校等在学中の場合は在学証明書または学生証 等
市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書 死亡の事実(原因)および死亡年月日確認のため
受取先金融機関の通帳等(本人名義) カナ氏名、金融機関名、支店番号、口座番号が記載された部分を含む預金通帳またはキャッシュカード(コピーも可)等
※請求書に金融機関の証明を受けた場合は添付不要。
印鑑 認印可

死亡の原因が第三者行為の場合に必要な書類

第三者行為事故状況届 所定の様式あり
交通事故証明または事故が確認できる書類 事故証明がとれない場合は、事故内容がわかる新聞の写しなど
確認書 所定の様式あり
被害者に被扶養者がいる場合、扶養していたことがわかる書類 源泉徴収票、健康保険証の写し(※)、学生証の写しなど
(※) 保険者番号および記号・番号等を判別、復元できないようマスキング(黒塗り等)したもの
損害賠償金の算定書 すでに決定済の場合。示談書等受領額がわかるもの

その他 状況によって必要な書類

年金証書 他の公的年金から年金を受けているとき
合算対象期間が確認できる書類 詳細は下記をご参照ください

年金の請求は、預貯金通帳のコピーの添付でも手続きができるようになりました。
また、年金請求のためにご用意いただいた住民票等を年金請求以外で利用される場合は、住民票等の原本をお返しします。

※ 国民年金に任意加入しなかった期間のある人は、それぞれ次の書類が必要です。

  • 配偶者が国民年金以外の公的年金制度の被保険者または組合員であった期間のある人は、配偶者が組合員または被保険者であったことを証する書類
  • 配偶者が国民年金以外の公的年金制度または恩給法等による老齢(退職)年金を受けることができた期間のある人は、配偶者が年金を受けることができたことを証する書類の写
  • 本人が国民年金以外の公的年金制度または恩給法等による遺族年金等をうけることができた期間のある人は、本人が当該年金等を受けることができたことを証する書類の写
  • その他、海外在住の期間等があったときは、このことを証する書類

※詳しくは年金事務所へお問い合わせください。

相続後の諸手続について司法書士・宮田浩志からのメッセージ

司法書士・宮田浩志からのメッセージ
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10月 29, 2020