相続財産管理人
相続が開始しても、例えば天涯孤独で亡くなる方、相続人はいたけど相続放棄や相続欠格、相続人廃除等により相続人の資格を失って、相続人がいなくなるという状況もあります。また、戸籍の消失などで相続人が不明ということもあります。そのような状態を法律上「相続人不存在」といい、この場合、家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任することになります。
相続財産管理人選任手続き
●申立人 利害関係人(相続債権者、特別縁故者など)、検察官
●管轄 被相続人の最後の住所地
●手数料等 収入印紙800円と郵便切手(裁判所によって異なります)、官報公告料
●必要書類 申立人・相続人の戸籍謄本、被相続人の除籍謄本、及び出生まで遡った戸籍謄本一
式・除票、相続人全員についての死亡記載のある除籍謄本、相続人全員が放棄した
場合は戸籍謄本と放棄申述受理証明書、財産管理人候補者の戸籍謄本・住民票、利
害関係を証する資料、相続関係図、財産目録
相続財産管理人は、相続財産を管理するとともに債権申し出の公告を行い、債権者や遺贈を受けた者がいれば、支払いを行います。さらに相続人がいるかどうかわからない場合は、家庭裁判所は相続人捜査の公告を行います。それでも相続人が現れなければ、相続人の不存在が確定します。
相続人がいないことが確定すると、次の段階として特別縁故者と呼ばれる人が相続できる可能性がでてきます。
特別縁故者とは、被相続人と生計を共にしていた人や、被相続人の療養看護に努めた人、その他被相続人と特別の縁故があった人のことをいいます。
具体例としては、内縁の妻(被相続人と夫婦の関係であったが、婚姻届はだしていなかった場合)などが挙げられます。
特別縁故者にあたる人が相続するためには、家庭裁判所に財産の分与の申立てをしなければいけません。申立てをすることによって、特別縁故者には、被相続人の財産の全部あるいは一部が与えられます。
相続財産相続人が職務遂行の結果、相続人がおらず、債権者や受遺者がおらず、特別縁故者もいない場合(あるいは特別縁故者が一部を相続したが財産が残った場合)は、被相続人の財産は最終的に国庫に帰属します。