献体について
献体とは、大学病院の医学部や歯学部の学生の医学研究に役立てるため行われる解剖実習に遺体を提供することをいいます。献体をするには、まず故人が生前に献体登録をして家族の同意を得ることが必要です。一般的には、通夜および葬儀・告別式を通常通り行い、出棺の際には献体登録先である、大学病院側が用意した車に遺体を載せて火葬場ではなく大学病院へ搬送します。献体された遺体は、医学研究の後に大学病院側が火葬し、遺骨にしてから遺族の元へ返されます。遺骨が返されるまで通常では早くて十ヶ月、遅い場合は二~三年かかります。この間に、故人を追悼するものが欲しい場合は、故人の髪の毛などを少し持っているのも良いでしょう。
○角膜を提供したい場合
角膜を提供したい場合は、まずアイバンクに登録しておきます。このときも家族の同意が必要になります。登録者が亡くなったときに速やかにアイバンクに連絡する人が必要になるためです。アイバンクに登録していなくても、故人が角膜を提供したいという意思表示があった場合には、遺族が提供を申し出ることができます。登録者が亡くなったらすぐにアイバンクへ連絡します。眼球は、夏場は死後六時間以内、冬場は十時間以内に摘出しないと、角膜の細胞が死んでしまいます。そのためにも速やかに連絡をしていただいて、医師に摘出手術をしてもらいます。摘出後は、義眼がはめ込まれますので外見が変わるようなことはありません。